トラブル対応
介護施設向け
現場ガイド
原因別チェックリストと再発防止策
ナースコールが故障したときの対処法
公開日:2025年8月 / 監修:HELPCARE編集部

「ナースコールが突然鳴らなくなった」「鳴りっぱなしで止まらない」——介護・医療現場でこのようなトラブルが起きると、利用者の安全に直結するため、一刻も早い対処が必要です。本記事では、故障の主な原因・現場でできるチェック手順・修理依頼のタイミング・再発防止策を、担当者がすぐに動けるよう体系的に解説します。
よくある故障の症状4パターン
ナースコールの不具合は大きく4つの症状に分類できます。どのパターンかを把握するだけで、原因の絞り込みがぐっと早くなります。

呼び出しが届かない(鳴らない)
ボタンを押しても親機・スタッフ端末に通知が来ない。最も深刻で利用者の安全に直結するトラブル。

鳴りっぱなし・止まらない
誰も押していないのに呼出音が止まらない状態。ボタン内部やコードの断線・短絡、脱落が主な原因。

親機では鳴るが端末に届かない
ナースステーションの親機は反応しているのに、スタッフのスマホ・PHSに通知が来ない。

特定の部屋だけ反応しない
一部の居室のみ不具合が発生。その部屋の呼出ボタン・コード・埋込インターホンの個別故障が疑われる。
ナースコールが故障する主な原因
1. コードの断線・破損、脱落
最も多い故障原因のひとつです。利用者がベッド上でコードを引っ張ったり、踏んだり、車椅子のタイヤに巻き込まれたりすることで、コードの途中や根本の端子が切れてしまいます。見た目は正常でも内部で断線しているケースも多くあります。また、利用者のベッド周りで子機が引っ張られコンセントや本体から抜けてしまう脱落もよく起こります。
2. 呼出ボタン本体の故障
ボタン内部の基板やスイッチの経年劣化・水濡れ・衝撃による破損。同じ部屋の埋込インターホンのボタンで呼出が届くかを確認すると、呼出ボタン本体の故障かどうかを切り分けられます。
3. システム・制御装置の不具合
複数の居室で同時に不具合が起きている場合、呼出ボタンやコードではなく、施設全体を管理する制御装置やシステム側に問題がある可能性が高いです。この場合、スタッフによる対処は困難で、専門業者への修理依頼が必要になります。
4. アンテナ・通信系統の障害
親機では正常に受信しているのに、スタッフのPHS・スマートフォンへの通知が届かない場合は、無線アンテナや通信システムの問題が考えられます。1台の端末のみの不具合なら端末故障、複数台で発生している場合はアンテナやシステム障害です。
5. 経年劣化(寿命)
電子部品は時間の経過とともに劣化します。一般的にナースコールシステムの耐用年数は8〜12年とされており、それを超えると部品調達が困難になり「修理不能」と判断されるケースも出てきます。
有線ナースコール特有のリスク 有線式は壁内の配線・制御装置・PBX・アンテナなど複数のシステムが連動しているため、故障原因の特定が複雑になりがちです。配線に無理に触ると元の状態に戻せなくなる場合もあるため、原因が不明な場合は速やかに専門業者へ連絡しましょう。

症状別・現場でできるチェック手順
まず「どこが原因か」を絞り込むことが、迅速な対処の第一歩です。以下の手順で順番に確認しましょう。
症状1 「呼び出しが届かない」場合のチェック手順
他の居室でも同じ症状が出ているか確認
複数の部屋で不具合 → 制御装置・システム側の障害が疑われる。直ちに専門業者へ連絡
特定の1部屋のみ → 次のステップへ
呼出ボタンのコードに目視・触診で異常がないか確認
コードの折れ曲がり・断線・根本端子の抜けがないかを確認します。
コードを軽く動かしながら呼出ボタンを押すと、断線箇所が特定しやすい場合があります。
壁の埋込インターホンのボタンを直接押して呼出が届くか
埋込インターホンで届く → 呼出ボタンまたはコードの個別故障。
埋込インターホンでも届かない → 埋込インターホンまたは制御装置の故障。根本端子の抜けがないかを確認します。
正常な別の呼出ボタンと交換してテスト
予備の呼出ボタンがある場合は交換テストで故障箇所を絞り込めます。
症状2 「鳴りっぱなし」の場合のチェック手順
該当居室の呼出ボタンのコードを一時的に抜いてみる
鳴り止む場合 → そのボタンまたはコードの短絡(ショート)が原因。業者に交換を依頼。
鳴り止まない場合 → 制御装置・システム側の不具合。
ボタンが物理的に押し込まれた状態になっていないか確認
ベッド柵やシーツにボタンが挟まり、押しっぱなしになっているケースも少なくありません。
壁の埋込インターホンのボタンを直接押して呼出が届くか
ベッド柵やシーツにボタンが挟まり、押しっぱなしになっているケースも少なくありません。
上記で解決しない場合は速やかに業者へ連絡
無線システムの場合は電波干渉やセンサー異常が原因のこともあり、現場対応の範囲を超えています。
症状3 「親機では鳴るが端末に届かない」場合
他のスタッフ端末でも同じ症状が出ているか確認
1台のみ不具合 → その端末(PHS・スマートフォン)の故障。端末を交換。
複数台で不具合 → アンテナまたはシステムの障害。業者へ連絡。
端末の電源・音量・着信設定を確認
スマートフォンの場合、アプリの通知設定がオフになっていたり、マナーモードが原因のケースも意外と多いです。
現場チェックの基本原則
- まず「1箇所のみ」か「複数箇所か」で原因の大枠を判断する
- 配線には無理に触らない。元の状態に戻せなくなる場合がある
- 故障状況(発生時刻・居室番号・症状)を記録してから業者に連絡する
- 対処中も利用者の安全確保を最優先に。代替手段(口頭呼び出し・巡回強化)を迅速に手配する

修理依頼のタイミングと伝え方
現場での初期確認を終えたら、専門業者への連絡に移ります。修理対応をスムーズに進めるためには、伝える情報の質が重要です。
修理依頼時に伝える4つの情報
症状の詳細
「〇号室の呼出ボタンを押しても親機・端末ともに反応しない」など具体的に
発生場所
特定の居室のみか、複数か、全体か
発生時刻・経緯
いつから、何かのきっかけ(工事・落下・水濡れなど)があったか
機器の情報
メーカー名・型番・導入年数(分かる範囲で)
修理を依頼すべき状況(現場対応の範囲を超えるケース)
- 複数の居室で同時に不具合が発生している
- 制御装置・アンテナ・システム側の問題が疑われる
- 壁内の配線に触る必要がある
- 「修理不能・部品なし」と言われた古い機種を使用している
- 原因が特定できない

耐用年数と更新のサイン
ナースコールは精密な電子機器であり、使い続けるほどトラブルのリスクが上がります。
| 機器・部品 | 目安の耐用年数 | 劣化のサイン |
|---|---|---|
| 呼出ボタン・コード | 3〜5年 | コードの硬化・断線、ボタンの反応鈍化 |
| ナースコールシステム全体 | 8〜12年 | 頻繁な誤作動・修理回数の増加 |
| PBX(構内交換機) | 6〜10年 | 接続不良・通話品質の低下 |
| 無線アンテナ・中継機 | 5〜8年 | 電波の不安定・接続が途切れる |
「古すぎて修理不能」になる前に更新を
メーカーによっては製造終了後7〜10年で部品保有期間が終了し、「修理不能」と言われるケースがあります。その状態になってから慌てて更新しようとすると、工事期間中に施設運営を続けながら対応しなければならず、利用者・スタッフの双方に大きな負担がかかります。年度ごとに機器の状態を確認し、計画的な更新を検討することが重要です。

故障を減らす日常的な予防策
日常点検のポイント
- 月1回以上、全居室の呼出ボタンを実際に押して動作確認を行う
- コードの折れ・ひび割れ・根本端子の抜けかけを目視チェックする
- スタッフ端末(スマートフォン・PHS)の通知設定・バッテリーを定期確認する
- 水回り(洗面・トイレ)付近のボタンは水濡れの跡がないかを確認する
- 不具合の兆候(反応が遅い・音が小さいなど)を記録し、保守業者に早めに相談する
スタッフへの教育
- コードを引っ張らない・踏まないよう利用者・スタッフ双方に周知する
- 故障発見時の報告フローを明確にして、担当者へ速やかに連絡できる体制を作る
- 代替手段(巡回強化・口頭呼び出し)の手順をあらかじめ共有しておく
まとめ:「もしも」に備える体制づくりが、現場の安心をつくる
ナースコールの故障は、現場のスタッフ様にとって最も神経を使うトラブルの一つです。「もし夜勤帯に呼び出しが届かなかったら」という不安は、大きなプレッシャーとなります。
しかし、応急処置や部分的な修理を繰り返すだけでは、根本的な解決にはなりません。導入から8〜12年が経過したシステムは、ある日突然「修理不能」という通告を受けるリスクを常に抱えているからです。
今、担当者様に求められているのは、単なる「復旧」だけではなく、万が一の際も施設運営を止めないための「バックアップ体制」の構築です。まずは1台からでも導入できる仕組みを検討するなど、リスクを分散させる備えを始めてみてはいかがでしょうか。
HELPCAREはLTE回線を利用するため、従来のシステムのような大規模な配線工事やWi-Fi環境の整備が不要です。「故障したその部屋だけ、まずは1台から」という導入ができるため、多額の予算確保を待たずに、緊急性の高い場所から順次アップデートしていくことが可能です。
「何から手をつければいいか分からない」「予算や工期の目安を知りたい」という方のために、検討初期に役立つ『ナースコール導入・更新ロードマップ』を無料配布しております。
故障対応の合間に、今後の計画を立てるためのガイドブックとしてぜひご活用ください。現場の負担を減らし、利用者様の安全をより確かなものにする一助となれば幸いです。

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