ナースコール
2026年版
介護施設のナースコール活用
ナースコールをスマホで受けるには|アプリ連携の仕組みとメリット・注意点
公開日:2026年7月 / 監修:HELPCARE編集部

この記事のポイント
- ナースコールはスマホアプリで受信できる。呼び出し受信だけでなく、居室との通話・スタッフ間の内線・見守り通知・記録まで1台に集約できる
- 実現方法は3つ。「既存設備を活かすゲートウェイ方式」「IP対応の一体型」「工事不要の無線(LTE)型」で、必要な工事や費用感が異なる
- 最大の分かれ道は電波環境。届かない場所があれば呼び出しに気づけないため、導入前の確認が不可欠
- 端末の管理(紛失対策・情報管理)と運用ルールをセットで設計することが、失敗を防ぐ鍵
- スマホ化すれば必ず効率が上がるわけではない。まずは自施設の条件に合うかを見極めることが先決
「PHSが重くて古い、そろそろ壊れそう」「詰め所に戻らないと、どの居室から呼ばれたか分からない」「スタッフ同士の連絡は別の端末で、結局2台持ち」――介護施設の現場では、こうした声をよく耳にします。
そこで広がっているのが、ナースコールをスタッフのスマートフォンで受ける方法です。呼び出しを手元で受信し、そのまま居室と通話。そのうえスタッフ連絡までスマホ1台で完結――こうした運用が多くの施設で採用されています。
ただし「スマホにすれば万事解決」というわけではありません。実現方法は複数あり、電波環境や端末管理を軽視すると、かえって現場が混乱してしまいます。この記事では、スマホ受信でできること・仕組み・メリットに加え、導入前に必ず確認したい注意点まで整理しました。
ナースコールをスマホで受けるとは?できること
まず、スマホ連携で具体的に何ができるのかを押さえましょう。単なる「PHSの置き換え」にとどまらない点が特徴です。
呼び出し受信・居室との通話
居室からの呼び出しがスマホに通知され、画面には居室番号や呼び出し種別が表示されます。入居者名まで確認できる製品もあり、駆けつける前に状況を把握できます。そのまま居室と通話できる製品も多く、優先度を即座に判断できるため、不要不急の駆けつけを減らせます。
スタッフ間の内線・一斉呼び出し
スマホ連携では、スタッフ同士の内線通話も同じ端末で行えます。複数端末を同時に呼び出す機能を備えた製品もあり、対応できる人を素早く見つけやすくなります。また、「ナースコール用」と「連絡用」で2台持つ必要がなくなり、負担を軽減できます。
見守り通知・記録連携まで1台に
離床センサーや見守りカメラと連携し、異常の通知を同じアプリで受け取れる製品もあります。さらに、その場で対応内容を記録し、介護記録システムと連携できる構成も選択可能です。呼び出し・通話・見守り・記録を1台に集約することで、持ち歩く端末を減らし、情報の分散も防げます。
| できること | 従来のPHS・専用端末 | スマホ連携 |
|---|---|---|
| 呼び出し受信 | 可能(表示は簡易) | 可能(居室名・種別・入居者情報などを表示する製品も) |
| 居室通話 | 可能 | 可能 |
| スタッフ連絡 | 内線通話(順次呼び出しが中心) | 内線通話+同時呼び出しに対応する製品も |
| 見守り連携 | 製品により限定的 | センサー・カメラ通知を同じアプリで受信 |
| 記録連携 | 基本的に別端末 | 記録アプリ等と同じ端末に集約できる場合あり |
※機能の範囲は製品により大きく異なります。「スマホだから何でもできる」とは限らない点に注意してください。
仕組み:どうやってスマホに通知が届くのか
「スマホでナースコールを受ける」といっても、実現方法は1つではありません。大きく3つのアプローチがあり、既存設備を活かすか、丸ごと入れ替えるかで工事規模や費用感が変わります。
①ゲートウェイ方式(既存設備を活かす)
今あるナースコールの制御装置に「ゲートウェイ」と呼ばれる変換装置を接続し、呼び出し信号をネットワーク経由でスマホアプリへ届ける方式です。居室の呼び出しボタンや配線を残せるため、設備がまだ使える施設には現実的な選択肢となります。ただし、制御装置の世代によっては対応できない場合があるため、確認が必要です。
②IP・スマホ連動一体型(丸ごと更新)
制御装置自体がネットワーク通信に対応し、スマホと直接やり取りするタイプです。見守りセンサーや記録システムとの連携機能が最初から組み込まれた製品もあります。ナースコールを全て入れ替えるため、初期費用は大きくなりがちです。設備更新時期に合わせて検討すると良いでしょう。
③無線(LTE)型(工事不要でスマホ受信)
携帯回線(LTE)を使い、大がかりな配線工事なしでスマホ受信を実現します。Wi-Fi整備を前提としない構成が組めるため、配線工事が難しい既存施設や、小〜中規模の施設で導入しやすい方式です。ただし、施設内の電波状況によって運用品質が左右されるため、事前の確認は欠かせません。
| 方式 | 既存設備 | 工事規模 | 適した施設 |
|---|---|---|---|
| ゲートウェイ方式 | 活かせる | 中(ネットワーク整備が必要) | 既存設備を延命したい施設 |
| IP一体型 | 入れ替え | 大(配線工事含む) | 更新時期を迎えた中〜大規模施設 |
| 無線(LTE)型 | ほぼ不要 | 小(工事不要) | 工事が難しい/小〜中規模施設 |
スマホ化のメリット(現場はどう変わるか)
- 移動中でも対応できる:詰め所に戻らなくても、巡回中や別フロアにいても呼び出しに気づけます。
- 2台持ちの解消:ナースコール用と連絡用に分けていた端末を1台にまとめられます。
- 情報の集約:呼び出し・通話・見守り通知・記録が同じ画面に集まり、情報が散らかりません。
- 駆けつけ判断がしやすい:呼び出し内容や居室状況を確認してから動けるため、対応の優先順位をつけやすくなります。
導入前に必ず確認したい4つの注意点
- 電波環境(最重要):スマホで安定して呼び出しを受けるには、施設の隅々まで電波が届いている必要があります。必ず現地で電波を測定し、死角がないか確かめましょう。
- セキュリティ・端末管理:紛失や情報漏えいに備え、MDM等で遠隔ロックやデータ消去ができる仕組みを整えてください。
- 端末の運用ルール:受け渡しや充電、紛失時の対応をルール化しておかないと、いざというときに支障をきたします。
- 製品ごとの機能差:「スマホ対応」とうたっていても、できることは製品によって大きく異なります。必要な機能が備わっているかを1つずつ確認してください。
自施設に合うか判断するには
- 現状把握:今のナースコール方式・老朽度、現場の課題を整理
- やりたいことの明確化:呼び出し受信だけか、通話・見守り・記録連携まで求めるか
- 方式の選択:ゲートウェイ/IP一体型/無線LTEのどれが現実的か
- 電波・運用の確認:現地の電波状況を測定し、端末管理ルールを決定
- 比較・トライアル:複数社を同条件で比較し、可能なら現場で試す
まとめ:スマホ受信は「電波」と「運用」で決まる
ナースコールのスマホ受信は、呼び出し・通話・スタッフ連携・見守り・記録を1台に集約し、移動負担と情報の分散を減らします。ただし、効果を左右するのは製品スペックだけでなく、電波が届くかと端末を安全に運用できるかです。導入前のデモやトライアルを通じ、実際の現場で試すことをおすすめします。
業務効率化の第一歩として—ナースコールの見直し
スマホでナースコールを受ける体制づくりは、職員の移動負担と情報の分散を減らし、現場の働きやすさを大きく左右します。どの方式が自施設に合うかを見極めることが、その第一歩です。
HELPCAREは、LTE通信を使った工事不要の無線型ナースコールです。スタッフのスマートフォンで呼出受信・見守り・巡視記録が完結し、介護記録システムとの連携構成も組みやすい設計になっています。
有線・PHS・Wi-Fi・LTEの4タイプの違い、コストの比較基準、施設規模別の選定チェックリストをまとめた「ナースコール選定ガイド」を無料でダウンロードできます。スマホ受信を含めた方式選びを、実際の検討作業にそのまま使える形で整理しています。
参考・出典
- ナースコールのスマホ連動に関する各メーカー・システム事業者の公表情報(仕組み・連携方式・対応機能)
- 公衆PHSサービスの提供終了に関する通信事業者の公表情報
※本記事は2026年7月時点の一般的な情報に基づきます。対応機能・構成・費用は製品や施設の条件により異なります。導入にあたっては、各メーカー・販売事業者の最新情報をご確認のうえ、自施設の環境で検証してください。

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