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2026年版
【2026年度 介護報酬改定】
介護施設の経営者が押さえておくべきポイントと対応のヒント
公開日:2026年4月 / 監修:HELPCARE編集部

この記事のポイント
- 2026年度は通常の3年サイクルを待たない「臨時改定(期中改定)」。2026年6月と8月の2段階で施行
- 最大の柱は「処遇改善加算の大幅拡充」。介護職員は最大月1.9万円の賃上げが実現する仕組みに
- 上位区分(加算Ⅰ・Ⅱ)を取得するには、ICT活用や生産性向上への取り組みが新たな要件に
- 食費の基準費用額も1日あたり100円引き上げ(2026年8月施行)
介護報酬は原則3年に1度の改定ですが、2026年度は例外的な臨時改定が実施されます。深刻な人材不足と他産業との賃金格差を背景に、令和9年度(2027年度)の定期改定を待たずに前倒しで行われる、異例の「期中改定」です。
改定率は全体でプラス2.03%。規模は小さく見えますが、処遇改善の仕組みが大きく変わるため、経営・人事・現場オペレーションへの影響は決して軽くありません。この記事では、介護施設の経営者・管理者が今知っておくべき改定の全体像と、対応のポイントを整理します。
なぜ今、臨時改定なのか
今回の改定は、政府の「強い経済を実現する総合経済対策」(2025年11月閣議決定)を踏まえたものです。
介護職員の統計開始後初の人数減少、全産業平均との月8万円超の賃金格差、物価高騰による経営圧迫——こうした状況が重なり、3年後の定期改定まで待っていられないと判断されました。政府は「他職種と遜色ない処遇改善」を目標に掲げ、賃上げ支援を報酬制度として恒久的に組み込む方針を打ち出しています。
2026年度改定の全体像
今回の改定は、大きく2つの柱で構成されています。
- 処遇改善加算の大幅拡充(2026年6月施行)
- 食費の基準費用額の見直し(2026年8月施行)
改定率の内訳を見ると、2.03%のうち1.95%が処遇改善、残りの0.09%が食費対応分です。今回の改定は事実上「処遇改善のための改定」と言えます。
柱①処遇改善加算の拡充:何が変わるのか
賃上げの規模と対象
今回の改定では、介護職員のみならず介護従事者全体を対象に月1万円(3.3%)の賃上げを実現する基本措置に加え、生産性向上や協働化に取り組む事業所の介護職員には月7,000円(2.4%)の上乗せが設けられています。事業所の定期昇給(月2,000円程度)も含めると、介護職員は最大で月1.9万円の賃上げとなる計算です。
対象範囲の拡大
これまで処遇改善加算の対象外だった職種にも、今回から加算が拡大されます。訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援・地域包括支援センターなどのサービスが新たに対象となります。
施設内に複数の職種が在籍している法人にとっては、これまでより広い範囲で処遇改善の財源を確保できるようになります。
上位区分の取得に「ICT活用・生産性向上」が必須に
今回の改定で経営上インパクトが大きいのは、加算Ⅰ・Ⅱの上位区分(ロ)の算定要件に「生産性向上・協働化への取り組み」が正式に位置づけられた点です。
具体的には、介護記録の電子化、見守り機器やインカム等の活用、業務改善の体制づくり(委員会・プロジェクト等)、協働化(共同購入・事務処理の集約等)を「運用」まで落とし込むことが重要とされています。
これは言い換えると、「より高い加算を取りたければICT化・効率化を進めなさい」という国からのメッセージです。ICT導入を先送りにしていた施設は、この改定を機に本格的に動き出す必要があります。
令和8年度特例要件とは
早期の取得を促すため、事務負担に配慮した「令和8年度特例要件」が設けられ、申請時点での誓約により算定可能とする措置がとられます。つまり、2026年度中に対応することを誓約すれば、実際の体制整備が間に合っていない段階でも上位区分を算定開始できる経過措置です。
準備期間が限られているからこそ、この特例要件をうまく活用し、算定を先行させながら段階的に体制を整えていく戦略が現実的です。
柱②食費の基準費用額の引き上げ(2026年8月施行)
介護保険施設等における食費の基準額が、現在の1,445円から1日あたり100円引き上げられ、1,545円となります。所得の低い層(第1・第2段階)は据え置き、第3段階でも30円〜60円の引き上げに留めるなど、急激な負担増を抑える配慮がなされています。
食材費の高騰が続く中、施設経営への影響を和らげる措置ですが、利用者・家族への説明が必要になる点は押さえておきましょう。
経営者として今すぐ動くべき3つのポイント
Point1処遇改善加算の上位区分取得に向けた計画を立てる
加算Ⅰ・Ⅱの上位区分(ロ)は、取得できれば事業所収益と職員賃金の両方にプラスに働きます。令和8年度特例要件を活用して早期に算定を開始し、ICT導入・業務改善を並行して進める計画を今すぐ立案しましょう。
Point2ICT活用・生産性向上の取り組みを「加算要件」として整理する
見守り機器・記録システム・インカムなどのICTツールを導入・活用することが、今後の加算算定の前提条件になっていきます。「現場が使いこなせるか」「記録業務の削減につながるか」という実効性の観点で機器を選定することが重要です。
Point3食費改定(8月)に向けた利用者への説明を準備する
基準費用額の引き上げに伴い、利用者負担が増える方が出てきます。8月施行に向けて、対象者の把握と丁寧な事前説明の準備を進めておきましょう。
ICT活用が「選択肢」から「要件」になる時代へ
今回の改定が示すのは、ICT化・業務効率化がもはや「やる気のある施設がやること」ではなく、加算を取得するための要件になりつつあるという現実です。
特に見守り機器や介護記録システムとの連携は、夜間対応の負担軽減・記録業務の効率化といった現場の課題解決にも直結します。処遇改善加算の上位区分取得を目指しながら、同時に職員の働きやすさを改善できる一石二鳥の取り組みとして、この機会に本格検討することをお勧めします。
ICT連携を見据えたナースコール選びなら
ICT活用の要件として特に注目されるのが、見守り機器・記録システムとの連携です。ナースコールを見直す際は、こうした連携がしやすい製品を選ぶことが、加算要件を満たすうえでも重要なポイントになります。
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参考・出典
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」(社保審・介護給付費分科会 資料1)
- 介護保険最新情報 Vol.1479(令和8年3月13日)
- 厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)」
※本記事は2026年4月時点の情報に基づきます。最新の公募要領は各都道府県ホームページにてご確認ください。

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