設置基準
選び方ポイント
2026年版
【2026年版】介護施設はナースコール必要?
設置基準と選び方のポイントを解説
公開日:2026年4月 / 監修:HELPCARE編集部

この記事のポイント
- 特養・老健・軽費老人ホーム・有料老人ホームはナースコールの設置が法律で義務付けられている
- 法令上は「ブザー又はこれに代わる設備」と定められており、無線型のナースコールも適法
- 設置さえすれば良いわけでなく、使える状態に管理しないと虐待と判断されるリスクがある
- 選び方のポイントは「設置工事の有無」「機能性」「使いやすさ」の3つ
ボタンひとつで職員を呼べるナースコールは、急な体調不良を知らせるためにも、利用者が安心して日常を送るためにも欠かせないツールです。
「特養」や「有料老人ホーム」といった介護施設にナースコールが必要なことは、多くの経営者・管理職がご存じのことと思います。ただ、「法律上どこに・何を設置すればいいのか」「どんな製品を選ぶべきか」については、意外と整理されていないケースも多いものです。
この記事では、施設種別ごとの設置基準と、選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。
ナースコールの役割
ナースコールは、利用者が看護師や介護士を呼ぶための連絡ツールです。居室・トイレ・浴室など、利用者が一人になる場所に設置され、緊急時や日常的なケアの依頼に使われています。
介護施設での使われ方は幅広く、「姿勢を変えてほしい」「物をとってほしい」といった日常の依頼から、急な体調不良の通知まで、利用者の安全管理と安心感を支える重要な役割を担っています。
近年は技術の進化により、呼出ボタンとナースステーションをつなぐ従来型に加え、見守りカメラ機能が付いたタイプや介護記録システムと連動するタイプも普及しています。こうした製品を活用することで、現場の業務効率化や夜間対応の負担軽減にもつながります。
施設種別ごとの設置基準
特養・老健・軽費老人ホーム・有料老人ホームは、法令によってナースコールの設置が義務付けられています。なお、法令の条文では「ナースコール」ではなく「ブザー又はこれに代わる設備」「緊急通報装置」と表記されているケースがほとんどです。つまり、利用者がスタッフを呼び出せる機能を持つ設備であれば、無線型のナースコールも適法と解釈されています。
特養
(特別養護老人ホーム)
居室とトイレに「ブザー又はこれに代わる設備」を設けることが義務付けられています(特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準 平成十一年厚生省令第四十六号)。
要介護度3以上の方が入所される施設であり、体位交換・移乗介助・トイレ誘導など、様々な場面でナースコールが活用されています。居室・トイレ以外の共用スペースへの設置も検討することが望ましいでしょう。
老健
(介護老人保健施設)
療養室(居室)に「ナースコール」、トイレに「ブザー又はこれに代わる設備」の設置が義務付けられています(介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 平成十一年厚生省令第四十号)。
施設種別の中で唯一、法令に「ナースコール」と明記されています。在宅復帰を目指す施設の特性上、「ナースコールを自分で押す」こと自体をリハビリの一環として取り組む施設もあります。
軽費老人ホーム
(ケアハウス)
居室に「緊急の連絡のためのブザー又はこれに代わる設備」を設けることが義務付けられています(軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準 平成二十年厚生労働省令第百七号)。
比較的要介護度の軽い方が入所されるため、緊急連絡用のツールとして最低限の機能が求められています。
有料老人ホーム
トイレに「緊急通報装置等」を備えることが義務付けられています(有料老人ホームの設置運営標準指導指針)。居室への設置義務は明記されていませんが、「入居者の急病等緊急時の対応を図ること」という要件もあるため、何らかの介護を要する方が入居される場合は居室への設置も強く推奨されます。
サービス付き高齢者住宅・
グループホームなど
これらの施設では、法令上のナースコール設置義務はありません。ただし、入居者の状態や施設の運営方針によっては、安全管理の観点から設置を検討することをお勧めします。
設置義務を怠ると起こるリスク
ナースコールの設置基準を守らない場合、「高齢者虐待防止法」に抵触し、虐待行為と見なされるリスクがあります。注意が必要なのは、「設置してある」だけでは不十分という点です。以下のような不適切な運用は、たとえ機器を設置していても虐待と判断される可能性があります。
- ナースコールを手の届かない場所に置く・隠す
- 電源を抜く、コードを外す
- 頻回なコールに職員が対応しない
- ナースコールを使わないよう利用者に指示する
過去には、忙しさを理由にナースコールを手の届かない位置に置いたスタッフが「虐待行為をしていた」と施設運営元が発表した事例もあります。設置と同時に、職員への適切な教育・管理の徹底が重要です。
ナースコールを選ぶ3つのポイント
技術の進歩に伴い、ナースコールの選択肢は大きく広がっています。導入・更新を検討する際は、以下の3点を軸に比較検討することをお勧めします。
Point 1設置工事の有無
有線タイプは配線工事が必要です。一方、LTE通信や既存のWi-Fi環境を使う無線タイプは、工事なしで設置できます。
| 方式 | 工事 | 特徴 |
|---|---|---|
| 有線 | 必要 | 安定性が高い。既存設備の更新コストがかかる |
| 無線(Wi-Fi) | Wi-Fi未整備の場合は必要 | 環境整備が前提 |
| 無線(LTE) | 不要 | 工事なし・1台から導入可。 スモールスタートに向く |
既存施設の一部だけ入れ替えたい、老朽化した有線から切り替えたいという場合、無線(LTE)タイプは工事コストを大幅に削減できる選択肢です。
Point 2機能性
現在提供されているナースコールには、呼出・通話の基本機能に加え、さまざまな機能が用意されています。
- 見守りカメラ連動(映像確認・音声通話)
- ベッドセンサー連動
- スマートフォン・PHS連動
- 介護記録システム連動
- バイタルチェック連動
機能が多いほど活用の幅は広がりますが、コストも上がります。重要なのは「現場のスタッフが何を必要としているか」をきちんと把握することです。夜間の見回り回数を減らしたいのか、記録業務を効率化したいのかによって、必要な機能は変わります。
また、介護記録システムと連携できる製品であれば、補助金申請において「ICT連携構成」として評価されやすくなる点も見逃せません(詳しくは[ 補助金ガイド記事 ]をご参照ください)。
Point 3使いやすさ
呼出ボタンのサイズ・形状・押す力加減は製品によって大きく異なります。要介護度が高い方や手の力が弱い方にとって、ボタンが小さかったり硬かったりすると、いざというときに使えない事態になりかねません。
可能であれば導入前にデモ機を試し、利用者の状態に合った使いやすさを実際に確認することをお勧めします。
「法的義務を満たす」から「現場の課題を解決する」へ
ナースコールは、設置基準を満たすための設備から、介護現場の生産性向上ツールへと役割が広がっています。2024年の介護報酬改定以降、ICTを活用した業務効率化への注目はさらに高まっており、見守り機器・記録システムと連携したナースコールの導入は、補助金活用の観点からも優位性があります。
機器の老朽化更新を機に、連携構成も含めて改めて検討してみることが、現場改善への近道かもしれません。
HELPCAREのナースコールという選択肢
設置工事不要・1台から導入できるナースコールをお探しなら、HELPCAREが選択肢のひとつになります。
HELPCAREは、60拠点以上の介護施設を運営するベストリハ株式会社が自社開発した無線型(LTE対応)のナースコールです。充電式で配線工事が不要なため、新規施設への導入はもちろん、既存施設の一部居室だけの入れ替え、老朽化した有線システムからの総入れ替えにも柔軟に対応できます。
スタッフが使うのはスマートフォンのアプリのみ。呼出受信・見守り・巡視記録がアプリ内で完結し、介護記録システムとの連携構成も組みやすい設計になっています。月額880円〜(1台あたり)のサブスクリプション形式で、スモールスタートにも適しています。
「どのタイプのナースコールが自施設に合うのか」を比較・整理した**「ナースコール選定ガイド」資料を無料でダウンロード**できます。有線・PHS・Wi-Fi・LTEの4タイプの仕組みとメリット・デメリット、工事費やランニングコストも含めた選定基準、チェックリストを収録しています。導入をためらっている方や、スモールスタートを検討している方にも参考になる内容です。
参考・出典
- 特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十六号)
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準(平成十一年厚生省令第四十号)
- 軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成二十年厚生労働省令第百七号)
- 有料老人ホームの設置運営標準指導指針(厚生労働省)
- 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律
※本記事は2026年4月時点の情報に基づきます。最新の公募要領は各都道府県ホームページにてご確認ください。

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